夜9時半、台所で洗い物をしながら「宿題は終わったの?」と声をかけたら、返ってきたのは「うるさいな」のひと言。中3の秋、こんな場面が増えたというご家庭は少なくないはずです。
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見守りたい気持ちと、口を出したくなる気持ちのあいだで揺れるのは、子どもを大切に思っているからこそです。私自身、静岡県内で10年以上にわたり塾講師として中学生を指導してきましたが、この時期の保護者の悩みは「何をしてあげればいいか」よりも「何をしないほうがいいか」に寄っていくことが多いと感じています。
結論から言うと、保護者の役割は「勉強を教えること」ではなく、「生活のリズムを守る」「手続きと情報を確認する」「子どもが話せる状態を保つ」の3つです。勉強そのものは、学校・塾・家庭教師・本人の努力に任せ、家庭は土台づくりに回るほうがうまくいきます。
この記事では、入試までの時間の見方、家庭でできること、やってはいけない関わり方、保護者が確認しておきたい手続き、外部の力を借りる判断の順に整理します。
入試までの時間を、保護者がまず正しく把握する
令和9年度(2027年)の静岡県公立高校入試は、一般選抜の学力検査が3月3日(水)・4日(木)です。今日(10月20日)からかぞえると、あと134日になります。全日制の学力検査は5教科です。
主な日程は次のとおりです。県教育委員会の「公立高校をめざすあなたへⅡ」で確認できる内容ですので、更新があれば公式を優先してください。
- 願書受付:2月16日(火)〜18日(木)正午まで
- 志願変更:2月24日(水)・25日(木)正午まで(1回に限り変更可)
- 学力検査・面接など:3月3日(水)・4日(木)
- 追検査:3月9日(火)
- 合格者発表:3月12日(金)正午以降
日程の全体像は、次の記事にもまとめています。
134日というと長く感じますが、冬休みや年末年始、中学校の行事、期末テストを引くと、まとまって勉強に使える時間は思ったより多くありません。保護者が「まだ時間がある」と安心しすぎるのも、「もう間に合わない」と焦りすぎるのも、子どもにとっては負担になります。事実としての残り日数を、淡々と共有しておくのがちょうどよい距離感です。
家庭でできること:生活のリズムと環境を整える
勉強の中身に口を出せなくても、家庭にしかできないことがあります。いちばん効果が大きいのは、睡眠・食事・朝の起床時間といった生活の土台です。
睡眠時間を削らせない
受験期に夜更かしで勉強時間を増やそうとする生徒はよくいますが、寝不足の状態で解いた問題は、覚えたつもりでも抜けていくことが多いと現場で感じます。何時間寝るべきかは体格や生活によって異なるため、数字を決めつけるより、「朝、自分で起きられているか」「授業中に眠気で止まっていないか」を目安にするとよいでしょう。
夜遅くまで机に向かっているようなら、「何時までにやめる」を本人と一緒に決めてください。保護者が決めて押しつけるより、本人が納得して決めたルールのほうが続きます。
家の中の「勉強しやすさ」を見直す
勉強場所は自室でなくても構いません。リビングのほうが集中できる子もいれば、自室でないと落ち着かない子もいます。大切なのは、本人が選べることです。
次のチェックリストで、家庭の環境を一度見直してみてください。
家庭環境のチェックリスト
- 勉強する時間帯に、テレビや家族の話し声が大きく入らない場所があるか
- スマートフォンを、勉強中は手の届かない場所に置くルールを本人と決めているか
- 夕食の時間が、塾や部活の帰宅時間と合っているか
- 文房具・問題集・過去問が、探さずに取り出せる場所にあるか
- 朝食を食べる時間が確保されているか
食事と体調の管理は、保護者の得意分野
受験期は体調を崩すと一気に予定が崩れます。冬場はインフルエンザなどの感染症も心配です。予防接種を受けるかどうかは、かかりつけの医師に相談して決めてください。ここは私のような塾講師が助言する領域ではありません。
家庭では、温かい食事、帰宅後に落ち着ける時間、休日に外へ出る時間など、「普通の毎日」を守ることが何よりの支えになります。
やってはいけない関わり方:よくあるつまずき
ここからは、現場で見てきた「善意なのに逆効果になりやすい関わり方」です。どれも悪気はなく、不安から出てしまうものばかりです。
他の子や兄姉と比べる
「○○さんはもう過去問を始めているらしい」「お兄ちゃんはこの時期もっとやっていた」。こうした比較は、言った側は励ましのつもりでも、受け取る側には「自分は足りていない」としか届きません。比べるなら、過去の本人と比べてください。先月の自分より今月の自分がどう変わったか、という見方です。
点数だけで一喜一憂する
テストが返ってきた直後に点数だけを見て、ため息をついたり叱ったりすると、子どもは点数を隠すようになります。点数が見えなくなれば、保護者は状況を把握できず、対策も遅れます。
点数が悪かったときほど、「どこで間違えたの?」と責める形ではなく、「次はどの大問を直す?」と前を向く質問にしてください。点数の見方については、模試や偏差値が伸びないときの記事も参考になります。
→ 静岡県の中3、偏差値が伸びない・停滞する原因と対策|模試の見方
「やりなさい」を繰り返す
同じ指示を何度も言うと、言葉の効果はどんどん薄れます。声かけは回数より中身です。「今日は何時から始める?」と本人に決めさせ、その時間に自分から始められたら認める。これを積み重ねるほうが、自分で動く習慣につながります。
志望校を保護者の都合で決める
家から近い、知名度がある、親が出た学校だから。こうした理由だけで志望校を決めると、子どもが「自分で選んだ」と感じにくくなります。入学後に気持ちが続くかどうかは、本人がどれだけ納得して選んだかに左右されます。
判断材料は、通学時間、コースや学科、部活動、進路実績、入試の方式など、事実で並べて一緒に見るのがおすすめです。公立は内申点と学力検査の両方が関わるため、志望校の判断には、学校の先生や塾など第三者の情報も入れてください。
「受験は親の責任」と抱え込む
やってはいけないことの最後は、保護者自身が一人で背負い込むことです。保護者が追い詰められると、家の空気が重くなり、子どもに伝わります。不安なときは、担任の先生、進路担当の先生、塾の先生、同じ学年の保護者など、話せる相手を一人は持っておいてください。
子どもが話しやすい声かけの工夫
受験期の会話は、「聞く」「待つ」「短く伝える」の3つを意識するとうまくいきやすくなります。
声かけで意識したいこと
- 勉強の話は、帰宅直後や就寝前を避け、落ち着いている時間に切り出す
- 質問は「なぜできなかったの?」ではなく「どこが難しかった?」の形にする
- 返事がなくても追いかけず、「話したくなったら言ってね」と一言だけ残す
- 頑張りは結果ではなく、行動(毎日机に向かった、提出物を出した)を認める
- 不安を口にしたときは、すぐ励まさず、まず「そうなんだね」と受け止める
思春期の中学生は、大人に説明するのがいちばん苦手な年齢でもあります。話さないことが、頑張っていないことを意味するわけではありません。話すか話さないかは本人に委ね、そっと見守る姿勢を示すだけで、安心につながることがあります。
保護者が確認しておきたい手続きと情報
家庭で勉強を見られなくても、手続きと情報の管理は保護者がいちばん得意な分野です。早めに把握しておくと、後半に慌てずに済みます。
出願はWeb出願システムで行う
静岡県公立高校の志願手続きは、Web出願システムで行います。1つの学校の1つの学科(科)に志願でき、志願変更は1回に限り認められています。複数の学科を置く学校では、志望順位を付けて学科を併願できる場合がありますが、学校によって異なります。市立高校は市の定めがあるため、中学校に相談してください。
願書受付は2月16日(火)〜18日(木)正午までです。直前に慌てないよう、家庭のパソコンやスマートフォンで手続きできる環境かどうかを、早めに確認しておくと安心です。
一般選抜の仕組みを大まかにつかむ
一般選抜は、1回の選抜のなかに「学校裁量枠」と「共通枠」があります。学校裁量枠は学校が独自に定める枠で、共通枠は県共通の方法で選ぶ枠です。先に学校裁量枠、続いて共通枠で合格者が決まります。両者を別々に志願するのではなく、1校1学科(科)に志願します。
仕組みの詳しい解説は、次の記事にあります。
内申点は「学校生活」の積み重ね
入試では学力検査だけでなく、調査書(内申点)も関わります。中3の2学期の成績や提出物、授業態度は、この時期でも日々の積み重ねで動きます。家庭でできるのは、提出物の期限を一緒に確認する、定期テスト前の予定を本人と共有するといったサポートです。
→ 中3の2学期から内申点は上げられる?静岡県の内申と今からできること
なお、内申点の計算式や配点など、ここに書いていない数字は、県教育委員会の「公立高校をめざすあなたへⅠ」や各校の募集要項で確認してください。ネットの古い情報が混ざっていることがあるため、必ず今年度の公式資料で見直すことが大切です。
私立高校との併願も、早めに情報をそろえる
私立高校の受験方式や日程は学校によって異なります。併願を考えるなら、秋のうちに説明会や個別相談の予定を押さえ、費用や入試方式を資料で比べておくと、冬の判断が楽になります。仕組みは次の記事にまとめています。
塾・家庭教師・通信教育:外部の力を借りる判断
「保護者は教えない」と決めたとき、次に出てくるのが外部の力をどう使うかです。それぞれ向き不向きがあるため、お子さんの状況に合わせて選びます。
集団塾が向いている子
周りの生徒が頑張る環境で刺激を受けやすい子、決まった時間に通うほうがリズムを作りやすい子には、集団塾が合います。授業の進度が一定なので、受験全体の流れをつかみやすいのも強みです。一方で、送迎や通塾時間がかかること、部活と日程が重なりやすいことは確認が必要です。
通信教育が向いている子
自分でペースを決めて進められる子、基礎の確認を低コストで続けたい子には、通信教育が選択肢になります。ただし、質問の機会が限られること、提出や学習の管理を本人に任せることになるため、続かないご家庭もあります。
家庭教師が向いている子
通塾の時間が取れない、部活の予定が不規則、苦手単元に戻ってやり直したい、学校の進度や内申点対策に合わせて個別に見てほしい、といった場合には、家庭教師が合いやすくなります。家に来てもらう、またはオンラインで受けられるため、移動の時間がかからないのも保護者にとっては助かる点です。
ただし、家庭教師は会社によって料金や講師の層、指導内容が大きく異なります。相性もあります。1社だけで決めずに、複数の会社の資料をそろえて同じ項目で比べることが、後悔しない選び方の近道です。
保護者が家庭で「教える役」を手放しても、お子さんの勉強の質を守る方法はあります。教える人は外にいても、見守る人は家にいる。この役割分担のほうが、親子関係を保ったまま受験期を乗り切りやすいと、現場では感じています。
家の中で衝突が増えているご家庭ほど、第三者を入れて、親は応援に回るほうがうまくいくことがあります。静岡県に対応している家庭教師の料金や口コミを、静岡県に対応している家庭教師の料金を、無料で比べておくと、家庭の事情に合う選択肢かどうかを落ち着いて判断しやすくなります。
保護者が「教えなくていい」と考えたほうがよい理由
「教えないと不安」と感じる保護者は多いのですが、家庭で勉強を教えるのは、想像以上に難しいものです。理由は主に3つあります。
- 教え方が学校・塾と違う:解き方が違うと、子どもが混乱します。特に数学は、学校の授業で習った手順と違う方法を教えると、答案の書き方でも迷います
- 感情が入りやすい:親子だと「なんでこんなこともわからないの」という一言が出やすく、子どもが質問しなくなります
- 入試制度が変わっている:保護者世代の受験と、今の静岡県の入試は仕組みが違います。学校裁量枠や共通枠、Web出願など、昔と同じ感覚では判断を誤ることがあります
教える代わりに、できる範囲で「質問できる相手」を家の外に確保しておきましょう。学校の先生、塾の先生、家庭教師、友人。誰でも構いません。困ったときに、聞ける相手がいるかどうかが重要です。
- 勉強のことで親子の会話がぎくしゃくし、家では教えにくくなっている
- 部活や習い事の予定が不規則で、決まった曜日・時間の通塾が難しい
- 塾には通っているが、苦手な単元まで手が回っていない
- 内申点や学力検査に向けて、何から手をつけるか整理できていない
家庭教師比較くらべーるなら、静岡県に対応している家庭教師会社の料金や口コミを見比べて、気になる会社の資料を無料でまとめて取り寄せられます。
家庭教師を検討するときに、何をどう比べればよいかは次の記事で詳しくまとめています。
→ 静岡で家庭教師を選ぶ方法|料金相場・塾との違い・失敗しない比べ方
部活が忙しく通塾が難しいご家庭の勉強の進め方は、次の記事も参考にしてください。
→ 部活が忙しい静岡県の中学生の高校受験|通塾できない家庭の勉強の進め方
これから入試本番までの、家庭の動き方(時期別)
残りの134日を、家庭の動きという視点で大まかに区切ってみます。具体的な日程は学校や塾によって異なるので、あくまで考え方の目安です。
10月〜11月:情報をそろえる時期
- 志望校の説明会、学校見学、私立の個別相談の予定を確認する
- 担任・進路担当の先生との面談の日程を把握する
- 期末テストや提出物の予定を、家族で見える場所に書き出す
- 外部の力を借りるか、借りるならどの形にするかを検討する
12月〜1月:体調と生活リズムを守る時期
- 冬休みの予定を本人と一緒に確認し、休む日も決めておく
- 感染症対策、睡眠、食事など、体調管理を最優先にする
- 私立高校の出願・受験の日程と、公立の日程が重ならないか確認する
- 最終的な志望校を、先生との面談を踏まえて本人が決める
2月:手続きと気持ちの準備の時期
- Web出願の準備(アカウントや必要書類)を確認する
- 願書受付(2月16日〜18日正午)の予定を家族全員で共有する
- 前日・当日の持ち物、会場までの経路と時間を確認する
- 志願変更が必要になった場合の連絡先と手順を確認しておく
冬休みの勉強計画について、より具体的に知りたい場合は、次の記事も役立ちます。
→ 中3の冬休みの勉強計画|静岡県公立入試まで残り2か月の過ごし方
保護者が自分の気持ちを保つために
受験期は、子どもだけでなく保護者も緊張します。夜、ふと不安になって志望校の倍率や合格ラインを何度も検索してしまう、という方も多いでしょう。情報を集めること自体は悪くありませんが、集めすぎて不安が増える場合は、見る回数を決めるのも一つの方法です。
確認する情報源は、県教育委員会、志望校の公式サイト、学校の先生の3つに絞ると、ネット上の古い数字や不確かな噂に振り回されにくくなります。
最後に、合格や不合格の可能性について、私が断定できることは何もありません。ただ、これまで多くの受験生を見てきて言えるのは、家庭が穏やかな場所であり続けた子ほど、最後まで自分の力を出し切りやすいということです。結果以上に、受験を通じて親子が信頼を深められたかどうかが、その後の高校生活にも続いていきます。
学力検査まで、あと134日(3月3日・4日)。日程を踏まえると、外部の力を借りるかどうかの検討は、資料を取り寄せて比べる時間を考えて、早めに動いたほうが余裕を持てます。
家庭教師は、会社によって月謝・入会金・教材費の有無、講師の層、静岡県の入試(内申点・学調・学力検査)への対応が大きく違います。先に資料をそろえて、同じ項目で見比べてから話を聞くのが、失敗しない近道です。
資料が届いたら確認したいこと
- 月謝のほかにかかる費用(入会金・教材費・交通費)と、入試までの総額
- 部活や家庭の予定に合わせて、曜日・時間を柔軟に決められるか
- 保護者への学習報告の頻度と方法(連絡の取り方)
- 講師が合わなかったとき、無料で交代できるか
家庭教師比較くらべーる(資料請求は無料)
まとめ:家庭は「教える場所」ではなく「整える場所」
静岡県の受験生の保護者が、秋から意識したいことを振り返ります。
- 学力検査は3月3日(水)・4日(木)。残り日数は事実として淡々と共有する
- 家庭でできることは、睡眠・食事・環境などの生活の土台を守ること
- 比較、点数への一喜一憂、「やりなさい」の連発、志望校の押しつけ、抱え込みは避ける
- Web出願や学校裁量枠・共通枠など、手続きと制度は保護者が早めに把握する
- 教える役は外に任せ、塾・通信教育・家庭教師は子どもの状況に合わせて選ぶ
- 情報源は県教育委員会、志望校の公式サイト、学校の先生に絞る
次にやることは、とても小さなことで構いません。今夜、お子さんに「最近、勉強で困っていることはある?」と一言だけ聞いてみる。答えが返ってこなくても、聞いてくれる大人がいるという事実は伝わります。そこから、外部の力を借りるかどうか、志望校をどう考えるかを、一緒に整理していってください。







