返却された学調の結果を、お子さんが机の端に伏せたまま夕食に降りてくる。そんな場面を、私は何度も見てきました。
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「前回より上がると思っていたのに、ほとんど変わらなかった」「勉強時間は増やしたのに、点数に出ない」。学調の結果を見て、そう感じているご家庭は少なくないはずです。点数が動かないと、お子さん本人も保護者も、何から手をつければよいのかわからなくなります。
私自身、静岡県内で10年以上にわたり塾講師として中学生を指導してきました。その経験から先にお伝えすると、学調の点数が伸びないときは、勉強量を増やす前に「どこで点を落としているのか」を分けて見るだけで、直す順番がはっきりします。全教科を一度に立て直そうとせず、失点の原因が同じものから順に片づけていくのが、残り期間の短い中3には現実的です。
この記事では、学調の位置づけの確認、失点の4つの分類、教科ごとの優先順位、2学期以降の直し方、家庭でできることと外部の力を借りる選択肢まで、順番に整理します。学調の実施時期や形式は年度・中学校によって異なる部分があるため、最後は必ず学校から配られた案内を確認してください。
まず確認したい:学調は「入試そのもの」ではない
点数が伸びないと焦るあまり、「学調で決まってしまう」と考えてしまうご家庭があります。ここは冷静に整理しておきましょう。
学調(学力調査)は、中学校で実施される学力調査で、公立高校入試そのものではありません。県の公式な選抜資料として扱われるものではなく、学校や塾が志望校を考えるときの目安に使う資料と考えるのが正確です。学調の点数だけで合否が決まるわけではありません。
令和9年度(2027年)の静岡県公立高校の一般選抜は、学力検査が3月3日(水)・4日(木)です。2026年10月15日の時点から数えると、学力検査まで約139日あります。学調の結果が思わしくなくても、入試本番までにできることはまだ十分に残っています。
学調の結果を見るときのチェックリスト
- 点数そのものより、「前回との差」と「教科ごとの得点の偏り」を見る
- 合計点だけで一喜一憂せず、教科別・大問別の失点を確認する
- 学調は目安の資料であり、入試の合否を決めるものではないと家庭で共有する
- 志望校の判断は、担任や進路担当の先生が持つ資料とあわせて相談する
学調そのものの仕組みや対策は、次の記事でも詳しくまとめています。
点数が伸びない子に多い「失点の4分類」
伸びない理由は、お子さんによってさまざまです。ただ、答案を一緒に見ていくと、失点はほぼ次の4つに分けられます。まず返却された答案の間違いに、この4つのどれかを書き込んでいきます。
1. 知らなかった(知識の抜け)
漢字、英単語、理科・社会の用語、公式など、そもそも覚えていなかったために落とした問題です。答えを見れば「ああ、そうか」と思える間違いは、ここに入ります。時間をかければ取り返しやすい失点です。
2. わかっていたのに間違えた(ケアレスミス)
符号の書き間違い、単位の付け忘れ、問題文の条件の読み落とし、解答欄のずれなどです。本人は「できたつもり」なので、勉強量を増やしても減りません。見直しの手順を決めることで減らせます。
3. 解き方がわからなかった(理解不足)
数学の文章題や図形、英語の長文、理科の計算問題などで、手が止まって白紙になる問題です。単元の土台になる前の学年の内容でつまずいていることが多く、ここが一番時間のかかる失点です。
4. 時間が足りなかった(時間配分)
最後の大問まで届かなかった、見直す時間がなかったというケースです。実力はあるのに得点に出ない子に多く、解く順番と時間の区切りを決めるだけで改善することがあります。
失点の分類チェックリスト
- 返却された答案の間違い全部に、1〜4の番号を書き込む
- 教科ごとに、どの番号が一番多いかを数える
- 「1」と「2」が多い教科は、短期間で点が動きやすいと判断する
- 「3」が多い教科は、前の学年に戻る必要があるかを確認する
この分類をするだけで、「全部ダメだった」という漠然とした印象が、「この教科のこの種類の失点が多い」という具体的な課題に変わります。
教科ごとの優先順位の付け方
5教科すべてを同じ重さで立て直そうとすると、どれも中途半端になりがちです。優先順位は、「伸びしろが大きい順」に決めます。
優先度が高い教科の目安
- 失点の「1」「2」が多い教科:覚え直しと見直しの徹底で、短期間でも点が動きやすい
- 得点が平均付近で、あと数点で一段階変わりそうな教科:努力が結果に出やすい
- 志望校の入試で配点が大きい、または苦手だと響く教科:学校によって傾斜配点があるため、募集要項で確認する
後回しにしてよいわけではないが、時間のかかる教科
失点の「3」が多い教科、特に数学と英語の積み重ねが必要な単元は、今日明日で点が動くものではありません。ただし入試までの期間で見ると、ここを放置するのが一番危険です。毎日少しずつ、前の学年の内容に戻って埋めていく時間を、1日の中に先に確保しておきます。
なお、共通枠で傾斜配点がある学校・学科は一部に限られます。志望校に傾斜配点があるかどうかは、県教育委員会の発表や学校の募集要項で確認してください。
教科別:2学期以降の立て直し方
数学:大問1・2の取りこぼしをなくす
数学は、計算や小問集合で確実に点を取れるようにするのが最優先です。難しい図形や関数に時間を使う前に、基本的な計算問題と小問をミスなく解ける状態をつくります。
- 計算問題は、途中式を省略せず、符号と分数の処理を丁寧に書く
- 間違えた問題は、解き直して「なぜ間違えたか」を一言メモする
- 解けない単元は、教科書の例題レベルまで戻って、できる問題から積み上げる
数学の大問ごとの考え方は、次の記事も参考になります。
英語:単語とリスニングの毎日の習慣化
英語は、長文に入る前の単語・文法の土台がものをいいます。毎日の短い反復が、まとめてやるよりも結果に出やすい教科です。
- 英単語は1日に覚える数を決め、前日の分を最初に見直す
- リスニングは、1日10分でも毎日音声に触れる
- 長文は、わからない単語に線を引き、あとで単語帳にまとめる
国語:知識問題を先に固める
国語は、漢字・語句・文法といった知識問題が、短期間で点になりやすい部分です。読解は、設問の根拠になる部分に線を引き、「どこからそう言えるか」を毎回確認する練習を積みます。
理科・社会:用語の暗記を「出して覚える」に変える
ノートを眺めるだけでは、定着しません。用語を隠して答えを書き出す、一問一答を口に出して確認するなど、思い出す作業を中心にします。理科は計算問題の型、社会は資料の読み取りも、早めに練習しておきたい部分です。
見直しの習慣で、ケアレスミスを減らす
失点の「2」と「4」は、勉強量ではなく手順で減らせます。次のようなルールを、お子さんと一緒に決めてみてください。
見直しのチェックリスト
- 解き終わったら、まず解答欄のずれと名前・受検番号の記入を確認する
- 数学は、符号・単位・答えの形(約分・文字の整理)を最後に確認する
- 英語は、スペルと三単現のsなど、よく間違える項目を自分用にメモしておく
- 国語は、設問が「抜き出し」か「自分の言葉で」かを必ず確認する
- 時間配分は、大問ごとにかける分数を決め、止まったら飛ばして先へ進む
練習のときから、本番と同じ時間で解く機会を週に何度かつくると、時間配分の感覚が身につきます。
点数の差が見えたところで、立て直しの選択肢を比べる
ここまでの分類をしてみて、「自分たちだけでは、どこから直せばよいか判断しにくい」「前の学年の内容に戻る必要がありそうだが、時間が足りない」と感じたご家庭もあると思います。たとえば、数学で「3(理解不足)」の失点が多く、しかも部活や通塾の都合で、自分のペースで戻る時間が取りにくい場合です。そうしたときは、静岡県に対応している家庭教師の料金を、無料で比べておくと判断がしやすくなります。実際に頼むかどうかは別として、料金や指導内容を知っておくだけでも、選択肢が見えて気持ちが落ち着きます。
2学期以降の1週間の使い方(例)
立て直しは、「何を」「いつ」やるかを先に決めておくと続けやすくなります。次の例は、あくまで考え方の一つです。部活や学校行事に合わせて調整してください。
1週間の組み立て例
- 平日の毎日:英単語と計算練習など、短時間で終わる反復を15〜30分
- 平日の2〜3日:苦手教科の戻り学習(前の学年の内容)を30〜45分
- 週末の1日:返却された答案や模試の解き直しに、まとまった時間を使う
- 週末のもう1日:時間を測って過去問や問題集を解き、時間配分を練習する
この例のように、「毎日の反復」「苦手の戻り学習」「解き直し」「時間を測った演習」の4つを、1週間の中に入れておきます。全部を毎日やる必要はありません。続けられる量にすることが、一番大切です。
家庭でできること・やってはいけないこと
家庭でできること
- 点数ではなく、「前回より減ったミスの種類」や「毎日続けられていること」に目を向けて声をかける
- 勉強する時間帯と場所を、本人と一緒に決める
- 返却された答案を一緒に見るときは、「どの種類の間違いだった?」と質問の形で聞く
- 睡眠と食事のリズムを崩さないようにする
避けたいこと
- 他の子や兄弟との点数の比較
- 結果を見てすぐに「勉強時間が足りない」と決めつけること
- 学調の点数だけで、志望校をあきらめるよう促すこと
お子さんが点数に落ち込んでいるとき、一番必要なのは叱責ではなく「次にやることが具体的にある」という安心感です。分類した失点の表を一緒に見ながら、「ここからやろう」と1つだけ決める。それだけでも、本人の表情が変わることがあります。
外部の力を借りる選択肢:塾・家庭教師・通信教育
自分たちだけで立て直しが難しいと感じたときは、外部の力を借りる選択肢もあります。塾、家庭教師、通信教育にはそれぞれ向き不向きがあるため、公平に比べておきます。
塾
- 集団授業で学習のリズムをつくりやすく、周囲の刺激も受けやすい
- 通塾の時間と送迎が必要で、部活との両立が負担になることがある
- 授業の進度が決まっているため、苦手単元だけを戻りたい場合は合わないことがある
家庭教師
- 自宅やオンラインで受けられ、通塾の時間がかからない
- 苦手な単元だけを戻ったり、学校の進度に合わせた内申点対策をしたりしやすい
- 講師との相性が結果に影響するため、交代制度の有無を確認しておく必要がある
- 料金は会社・地域・学年によって幅があり、総額は入会金や教材費も含めて見る
通信教育
- 費用を抑えやすく、自分のペースで進められる
- 自分で計画を立てて続ける力が必要で、つまずいたときに質問しにくいことがある
この記事の読者のように、「失点の原因はある程度わかったが、苦手単元に戻る時間を自力で確保しにくい」というご家庭には、通塾の時間がかからず、苦手な単元だけを個別に戻りやすい家庭教師が合うことがあります。逆に、集団の雰囲気で頑張れる子や、通塾が負担にならないご家庭には、塾が合うこともあります。大切なのは、1つに決め打ちせず、料金や条件を並べて比べることです。
模試や学調の使い分けについては、次の記事も参考にしてください。
- 失点の原因は見えてきたが、苦手単元に戻る時間を自力で確保しにくい
- 部活や送迎の都合で、塾に通う時間を取りにくい
- 学調や定期テストの結果が思うように動かず、勉強法に自信が持てない
- 集団授業では手が回らず、自分のペースで見てもらえる環境を探している
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家庭教師を検討するときに、何をどう比べればよいかは次の記事で詳しくまとめています。
→ 静岡で家庭教師を選ぶ方法|料金相場・塾との違い・失敗しない比べ方
学調の次の機会に向けて:やることの順番
学調は年度や中学校によって回数・時期が異なりますが、次の機会に向けた準備の順番は共通しています。
- 返却された答案の失点を、4つに分類する
- 教科ごとに、伸びしろの大きい順に優先順位を決める
- 毎日の反復、苦手の戻り学習、解き直し、時間を測った演習を1週間に組み込む
- 2〜3週間続けて、同じ種類のミスが減っているかを確認する
- 必要なら、担任や進路担当の先生に学習の進め方を相談する
点数だけを追うと、結果が出ない時期が続いたときに気持ちが折れやすくなります。「同じミスを繰り返していないか」を見る習慣をつけると、点数が動く前から手応えを感じられます。
第2回以降の学調の位置づけや使い方は、次の記事にまとめています。
入試までの残り期間をどう使うか
令和9年度の静岡県公立高校入試は、願書受付が2月16日(火)〜18日(木)正午まで、学力検査が3月3日(水)・4日(木)、合格者発表が3月12日(金)正午以降です。2026年10月15日から学力検査までは約139日、つまり20週間ほどです。
この20週間を、大まかに次のように考えると見通しが立ちます。
- 10月〜11月:失点の分類にもとづいて、基礎の抜けを埋める時期。苦手単元の戻り学習を中心にする
- 12月〜1月:過去問や演習で、時間配分と得点の安定を目指す時期
- 2月以降:新しいことを増やさず、これまでの間違いの総復習と体調管理に集中する
学期末の定期テストや提出物は、内申点にも関わります。学調対策だけに偏らず、学校の勉強と並行して進めることが大切です。ここまでで、早めに動く余地はまだ十分にあるとお伝えしました。「今から動く」と決めるだけでも、残りの20週間の使い方は変わります。
家庭教師は、会社によって月謝・入会金・教材費の有無、講師の層、静岡県の入試(内申点・学調・学力検査)への対応が大きく違います。先に資料をそろえて、同じ項目で見比べてから話を聞くのが、失敗しない近道です。
資料が届いたら確認したいこと
- 月謝のほかにかかる費用(入会金・教材費・交通費)と、入試までの総額
- 苦手単元まで前の学年にさかのぼって指導してもらえるか
- 学校の進度や定期テスト、静岡県の学力検査の形式に合わせた指導ができるか
- 講師が合わなかったとき、無料で交代できるか
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まとめ:学調の点数は、失点を分けて見れば立て直せる
- 学調は入試そのものではなく、学校や塾が志望校を考えるときの目安に使う資料。点数だけで合否は決まらない
- 失点は「知らなかった」「ケアレスミス」「理解不足」「時間不足」の4つに分けると、直す順番が見える
- 優先するのは、失点の原因が「知識」「ミス」で、短期間でも点が動きやすい教科
- 理解不足の教科は時間がかかるため、毎日の学習の中に、前の学年に戻る時間を先に確保する
- 家庭では点数よりも、減ったミスの種類や続けられていることに目を向ける
- 自力での立て直しが難しいときは、塾・家庭教師・通信教育を条件で比べ、資料をそろえてから判断する
まず今日できることは、返却された答案の間違いに、1〜4の番号を書き込むことです。それだけで、残りの約20週間の優先順位が、ぐっと見えやすくなります。学校の先生にも相談しながら、お子さんのペースで進めていきましょう。







