塾と家庭教師、結局どちらが合うのか。答えはお子さんの性格ではなく、ご家庭の1週間の時間割を見るとかなりはっきりします。
※受験対策の進め方に迷っている方は、静岡県対応の家庭教師の料金・口コミを無料で比べられる「家庭教師比較くらべーる」(資料請求は無料)もあわせてご覧ください。
私自身、静岡県内で10年以上にわたり塾講師として中学生を指導してきました。その中で、塾が合う子と家庭教師が合う子の両方を見てきましたが、うまくいかなかったケースの多くは「サービスの良し悪し」ではなく、通う時間・続けられる負担・知りたいことと指導内容のずれが原因でした。
この記事では、通塾時間、部活との両立、苦手単元への対応、内申点との相性、費用の考え方という5つの視点で塾と家庭教師を公平に比べ、どんなご家庭にどちらが向きやすいかを整理します。特定の塾や会社をすすめるものではありません。
まず確認したい「1週間の時間割」
塾か家庭教師かを考える前に、紙に1週間の予定を書き出してみてください。学校、部活、習い事、食事、入浴、睡眠。そこへ「勉強に使える時間」を重ねると、見えてくるものがあります。
書き出すときのポイント
- 部活の終了時刻:平日と休日で分けて書く。大会前や、引退までの期間で変わる場合は、その時期も書き足す
- 帰宅時刻と夕食の時刻:塾が始まる時刻に間に合うか
- 送迎の可否:誰が、何曜日なら送迎できるか。公共交通機関やバス、自転車で通える範囲か
- 就寝時刻:塾のあとに自宅学習をする時間が残るか
- 家での勉強に使える時間:曜日ごとにおおよそ何分取れているか
この作業をすると、「塾に通う時間」だけでなく「塾に通うために失う時間」も見えてきます。移動に往復で30分〜1時間かかるなら、その分は勉強にも休息にも使えない時間です。
静岡県は東西に長く、市街地と山間部・海沿いで通塾環境がずいぶん違います。同じ県内でも、駅の近くに塾が集まる地域と、塾まで車で送らないと通えない地域があります。「塾に通うのが当たり前」という前提を、いったん外して考えてみましょう。
視点1:通塾時間と送迎の負担
塾の場合
- 授業時間に加えて、往復の移動時間と、夜遅くなる場合の送迎が必要になる
- 通塾の習慣が定着すれば、勉強に向かう場所と時間が決まるため、生活のリズムを作りやすい
- 自習室を使える塾なら、授業のない日にも勉強する場所になる
家庭教師の場合
- 自宅で受けられるので、移動の時間と送迎の負担がない
- 講師が自宅に来る場合は、勉強する部屋を整える必要がある。オンライン指導に対応している会社なら、通信環境と機器の準備が要る
- 家に他人が入ることに抵抗がある、ほかの家族の生活音が気になる、という場合は、オンラインや場所の選び方を会社に相談する
通塾にかかる時間が長い、送迎できる人が限られている、というご家庭では、この視点だけで家庭教師に傾くことが多いと感じます。反対に、塾が自宅や学校の近くにあって負担が小さいなら、この視点は塾の弱点にはなりません。
視点2:部活との両立
静岡県の中学校では、3年生の夏から秋にかけて部活を引退する生徒が多い一方、冬の大会や新人戦、地区の行事まで活動が続く部活もあります。引退した後も、後輩の指導や行事の手伝いで帰宅が遅くなる生徒もいます。
塾で起こりやすいこと
- 部活が長引き、塾の開始時刻に遅れる。あるいは、夕食をとる時間がなく、疲れた状態で授業を受ける
- 大会前や、試合の翌日に休む回数が増え、授業の進度についていけなくなる
- 振替制度があっても、自分で日程を調整するのが難しい
家庭教師で起こりやすいこと
- 曜日や時間帯を相談して決められるため、部活のない日や遅い時間にも合わせやすい
- 日程変更や休み、振替の条件は会社ごとに異なる。契約前に確認が必要
- 「疲れて集中できない」状態は、塾でも家庭教師でも変わらない。時間をずらせることと、集中できることは別の話
部活の予定が読みにくい時期ほど、時間の融通がきくかどうかは大きな違いになります。ただし、どちらの形でも、睡眠時間を削ってまで勉強時間を増やすのは勧められません。無理のない時間帯に絞って、短く集中できる形を選ぶほうが長続きします。
視点3:苦手単元に戻れるか
中3の秋の時点で、中1・中2の内容に抜けがあるお子さんは少なくありません。そうした場合、「今の学年の授業」を進めるだけでは、土台のぐらつきが残ったままになります。
集団指導の塾
- 授業は全体の進度に合わせて進む。受験学年では、入試対策の内容が中心になりやすい
- 苦手単元に戻りたい場合は、別途補習や個別の講座があるか、質問の時間が取れるかを確認する
- わからない点を、その場で手を挙げて聞ける子には向いている。聞きにくい子は、わからないまま次に進んでしまうことがある
個別指導の塾
- 生徒ごとに学習内容を調整しやすい。ただし、1人の講師が複数の生徒を同時に見る形式の塾もあり、実際の進め方は塾ごとに違う
家庭教師
- 1対1なので、つまずいた単元に絞って戻りやすい。たとえば数学なら、中1の正負の数や文字式、中2の一次関数まで戻る、という進め方もできる
- お子さんの理解度に合わせて、速度も調整しやすい
- 一方で、講師が「戻るべき範囲」を見立てられるかどうかは、講師の経験によって差が出る。体験授業で、診断のしかたを確認したい
苦手単元が一教科に集中しているなら、その教科だけを家庭教師に任せ、ほかの教科は学校の授業と自宅学習で進める、という使い分けもあります。5教科すべてに外部の力を借りる必要があるとは限りません。
視点4:内申点との相性
静岡県の公立高校入試は、学力検査と調査書(内申点)の両方で選抜されます。内申点は、定期テストの点数だけでなく、提出物や授業への取り組みなども含めて学校が評価するものです。計算の仕組みについては、こちらの記事で整理しています。
ここで大切なのは、塾の授業内容と、学校の定期テストの範囲が必ずしも一致しないという点です。入試対策が中心の塾では、学校の進度より先を学ぶこともあれば、学校の定期テスト対策に割く時間が限られることもあります。
内申点対策で見たいこと
- 学校ごとの定期テスト範囲に合わせて、対策の時間を取ってもらえるか
- 提出物の期限や内容を、一緒に確認してもらえるか
- 学校のワークや配布プリントを使った学習に対応してもらえるか
- 学期ごとの成績の変化を見て、次の学期に向けた計画を立て直してもらえるか
塾でも、定期テスト対策を丁寧に行うところはあります。家庭教師は、お子さんの学校の進度と教材に合わせて計画を組みやすい、という点が強みです。ただし、どちらの場合も、定期テストの点数を上げれば内申点が自動的に上がるわけではありません。評価の仕組みは学校ごとに異なるため、担任の先生や教科担当の先生に、評価の観点を確認しておくことも大切です。
視点5:費用の考え方
費用は、塾と家庭教師を比べるときに最も気になる点だと思います。ただ、料金は会社や塾、地域、学年、指導の形式(集団か個別か、週に何回か)によって大きく異なります。ここでは具体的な金額を挙げず、比べ方に絞って整理します。
費用を比べるときの項目
- 入会金:かかるか。キャンペーンなどで変わることがあるか
- 月謝(授業料):週に何回・1回何分の指導で、いくらになるか
- 教材費:指定の教材を買う必要があるか。市販の問題集で足りるか
- 諸経費:施設維持費や管理費、システム利用料などの名目で、月ごとにかかる費用があるか
- 季節講習費:夏期・冬期・春期の講習が、通常の月謝とは別料金か
- 交通費・送迎の負担:塾への交通費や、送迎にかかる時間・ガソリン代。家庭教師なら講師の交通費
1回あたりの指導料だけで比べると、個別指導や家庭教師のほうが集団指導の塾より高くなりやすい傾向があります。ただし、入試までに実際に受ける回数と、講習や教材を含めた総額で見ると、差が小さくなることも、逆に開くこともあります。「月謝の安さ」ではなく「入試までの総額」で比べるのが基本です。
今年度の中3が受験する令和9年度(2027年)の静岡県公立高校入試では、一般選抜の学力検査が3月3日(水)・4日(木)に行われます。今日(10月14日)からは約4か月半です。この期間に何回受けるかを決めたうえで、同じ条件で見積もりを出してもらうと、比較しやすくなります。
通塾にかかる時間や送迎の負担を考えたとき、費用の面でも見比べておく価値は大きいので、まず静岡県に対応している家庭教師の料金を、無料で比べておくと、塾の見積もりと並べて考えやすくなります。
通信教育という第三の選択肢
塾と家庭教師のほかに、通信教育もあります。費用を抑えやすく、時間の融通もきくため、比較に入れておく価値があります。
- 向いている子:自分で計画を立てて、毎日コツコツ進められる。基礎の定着が中心で、極端な苦手がない
- 注意したい点:継続には本人の自己管理が必要。わからない箇所を質問できる仕組みは、サービスによって違う。入試の過去問や、静岡県の入試形式に合わせた対策が含まれているかも確認する
通信教育で基礎を固め、苦手教科だけ家庭教師に頼む、という組み合わせもあります。ひとつに決めなければいけないわけではありません。
ここまでの比較を整理する
5つの視点で、塾と家庭教師がどちらに向きやすいかを整理します。
塾が向きやすいご家庭
- 自宅や学校から近く、通塾の負担が小さい
- 同じ志望校をめざす仲間がいると、気持ちが入りやすい
- 自習室など、勉強に向かう場所を外に持ちたい
- 授業の進め方が、入試対策のカリキュラムに沿っていて合っている
家庭教師が向きやすいご家庭
- 塾まで遠い、送迎が難しい、部活で帰宅が遅く、通塾の時間が取りにくい
- 苦手単元に絞って、中1・中2の内容まで戻りたい
- 学校の進度や定期テストに合わせて、内申点対策をしたい
- 集団の中で質問するのが苦手
どちらにも合う、という場合もあります。その場合は、お子さん本人が「続けられそう」と感じるほうを優先してください。保護者の方が良いと思っても、本人が気が進まなければ、通い続けるのが難しくなります。
アドバイザー視点:迷ったときの決め方
私が保護者の方にお伝えしてきた順番を、ご紹介します。
- いちばん困っていることを一つに絞る:「通う時間がない」「苦手単元が多い」「内申点が不安」「過去問の使い方がわからない」など
- 1週間の時間割から、使える曜日と時間帯を決める:部活の予定が読めない時期は、余裕を持たせる
- 入試までの総額の上限を決める:月謝だけでなく、教材費や講習費も含める
- 2〜3か所の資料や体験授業で、同じ項目を比べる:塾と家庭教師のどちらも体験してみると、お子さんの反応がわかる
- 本人の感想を聞いて決める:「質問しやすかったか」「また受けたいと思ったか」を確認する
どちらを選んでも、「必ず成績が上がる」とは言い切れません。大事なのは、お子さんが続けられる形を選ぶことと、始めたあとに合わなければ見直せるようにしておくことです。
特に、塾まで遠い、部活で通塾の時間が取れない、苦手単元に戻りたいという事情があるご家庭では、家庭教師の資料を取り寄せて、塾と同じ項目で比べてみる価値があります。
- 塾まで遠い、または送迎できる時間が限られている
- 部活で帰宅が遅く、塾の開始時刻に間に合わせにくい
- 中1・中2の苦手単元に戻って、学び直したい
- 学校の定期テストや提出物に合わせて、内申点対策を進めたい
家庭教師比較くらべーるなら、静岡県に対応している家庭教師会社の料金や口コミを見比べて、気になる会社の資料を無料でまとめて取り寄せられます。
家庭教師を検討するときに、何をどう比べればよいかは次の記事で詳しくまとめています。
→ 静岡で家庭教師を選ぶ方法|料金相場・塾との違い・失敗しない比べ方
塾の大手を比べたいときは
塾を中心に考える場合は、県内の大手塾の特徴を整理した記事もあります。塾と家庭教師を同じ土俵で比べるときの参考にしてください。
また、公立だけでなく私立高校も併願するご家庭では、受験する学校の数や日程によって、必要な勉強の量や時期が変わります。併願の仕組みはこちらで整理しています。
入試までの残り期間の使い方
令和9年度の静岡県公立高校入試の主な日程は、次のとおりです。
- 願書受付:2月16日(火)〜18日(木)正午まで
- 学力検査・面接など:3月3日(水)・4日(木)
- 合格者発表:3月12日(金)正午以降
日程の詳細は、こちらの記事にまとめています。最新の情報は、県教育委員会の発表で確認してください。
今日(10月14日)から学力検査まで、約4か月半あります。この期間を3つに分けると、決めることが整理しやすくなります。
10月〜11月:形を決めて、動き出す
- 2学期の定期テストと提出物で、内申点に関わる部分を落とさない
- 通塾にするか、家庭教師にするか、組み合わせるかを、時間割と予算から決める
- 資料請求や体験授業は、この時期に済ませておくと、冬休み前に指導を始められる
12月〜1月:苦手単元と過去問
- 冬休みを使って、苦手単元をまとめて復習する
- 過去問に取り組み、時間配分と記述問題の書き方を確認する
- 私立高校を併願するなら、公立の準備と並行して日程を整理する
2月〜入試直前:仕上げ
- 願書の出願(2月16日(火)〜18日(木)正午まで)を確実に済ませる
- 新しい教材に手を広げず、間違えた問題の見直しを中心にする
- 体調管理と、生活リズムを整える
塾でも家庭教師でも、始める時期が遅くなるほど、受けられる回数は減ります。また、年明けは希望する曜日や時間帯が埋まっていることもあります。比べる時間を確保するためにも、検討は早めに始めたほうが余裕があります。
入試まで約4か月半という時期だからこそ、先に資料をそろえ、塾と同じ項目で見比べておくと、動き出しが遅れにくくなります。
家庭教師は、会社によって月謝・入会金・教材費の有無、講師の層、静岡県の入試(内申点・学調・学力検査)への対応が大きく違います。先に資料をそろえて、同じ項目で見比べてから話を聞くのが、失敗しない近道です。
資料が届いたら確認したいこと
- 月謝のほかにかかる費用(入会金・教材費・交通費)と、入試までの総額
- 部活の予定に合わせた曜日・時間帯の調整や、休み・振替の条件
- 苦手単元に戻る範囲を、どのように見立ててくれるか
- 講師が合わなかったとき、無料で交代できるか
家庭教師比較くらべーる(資料請求は無料)
まとめ:時間割と目的から、続けられる形を選ぶ
塾と家庭教師の選び方の要点を振り返ります。
- 最初に、1週間の時間割を書き出し、勉強に使える時間と、通塾に失う時間を確認する
- 5つの視点は、通塾時間と送迎、部活との両立、苦手単元への対応、内申点との相性、入試までの総額
- 塾は、近くて通いやすく、仲間と競う環境が合う子に向きやすい
- 家庭教師は、通塾が難しい、苦手単元に戻りたい、学校の進度に合わせて内申点対策をしたいご家庭に向きやすい
- 通信教育を含め、組み合わせて使うこともできる。どれを選んでも、成績の向上は約束されない
- 令和9年度の学力検査は3月3日(水)・4日(木)。検討と体験は、早めに済ませておく
次にやることは、1週間の時間割を書き出し、いちばん困っていることを一つ決めることです。そのうえで、塾と家庭教師の資料や体験授業を同じ項目で見比べてみてください。お子さん本人が「続けられそう」と感じる形が、そのご家庭にとって合う選択になります。







