令和8年度入試で、浜松西高校の普通科は「外部から入る人」の募集が105人、浜松市立高校の普通科は360人でした。同じ浜松市中央区の人気校なのに、入口の広さがこれだけ違います。
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私自身、静岡県内で10年以上にわたり塾講師として中学生の進路相談にのってきましたが、浜松市立と浜松西で迷うご家庭は毎年います。結論を先に言うと、2校は偏差値が近く、どちらも国公立大学と難関私大の両方をめざせる進学校です。差が出るのは、入学の枠の広さ、学校の規模、中等部の有無、通学の経路といった「環境の違い」で、学力の上下ではありません。
この記事では、令和8年度(2026年度)入試の志願状況、みんなの高校情報の偏差値、両校が公表している進路実績と部活動、アクセスを順に整理します。そのうえで、どんなお子さんにどちらが合いやすいかと、併願と入試までの時間の使い方を考えます。2027年度(令和9年度)入試の募集人員などはまだ確認できない項目があるため、前年度の数字であることを明示して書いています。
浜松市立高校と浜松西高校の基本情報
まず学校の基本を並べます。数字は、静岡県教育委員会が公表した令和8年度の志願者数一覧と、各校の公式サイトで確認したものです。
浜松市立高等学校
- 設置者:浜松市(市立)
- 所在地:浜松市中央区広沢一丁目21-1
- 校訓:誠・愛・節(公式サイトに記載)
- 令和8年度の募集定員(普通科):360人
- 令和8年度の志願者数(志願変更後):417人(倍率1.16倍)
- 学校裁量枠:Ⅰの段階が募集定員の12%程度(44人)で、志願者は50人でした
浜松西高等学校
- 設置者:静岡県(県立)。中等部(併設の中学校)がある中高一貫の学校です
- 所在地:浜松市中央区西伊場町3-1
- 校訓:知・仁・勇(公式サイトの「特色ある教育」ページに記載)
- 令和8年度の募集定員(普通科):105人(括弧付きで表記)
- 令和8年度の志願者数(志願変更後):118人(倍率1.12倍)
- 学校裁量枠:Ⅰが30%程度(32人)で志願者51人、Ⅱが20%程度(21人)で志願者58人でした
浜松西の募集定員が括弧付きなのは、中等部から高校へ進む予定の生徒の数を除いて示しているためです。県の資料には「浜松西普通科135人」が中等部からの入学予定者数と書かれています。つまり、高校の入学者は、外部からの105人と中等部からの135人を合わせた規模になります。ここは次の「入試の仕組み」で、受験生にとっての意味を考えます。
出典:令和8年度静岡県公立高等学校入学者選抜 志願者数一覧(変更後)(2026-10-27確認)
偏差値と合格ラインの比較
みんなの高校情報(2026年度版)に載っている偏差値は、浜松市立高校が66、浜松西高校が65です。差は1ポイントで、模試の誤差や年度ごとのゆれを考えると、「どちらが上」と言えるほどの差ではありません。
- 浜松市立高校:66
- 浜松西高校:65
どちらの学校のページにも学科ごとの偏差値は載っておらず、学校全体の数字です。浜松西は同じページに中等部の偏差値も載っていますが、高校入試の目安とは別のものなので、ここでは使いません。
偏差値が同じ水準でも、「合格ライン」の感じ方は少し違います。浜松市立は定員が360人と大きいぶん、受験する人数も多く、倍率は1.16倍でした。浜松西は外部募集が105人と少なく、一人ひとりの得点差が合否の分かれ目になりやすい枠です。倍率は1.12倍でしたが、学校裁量枠のⅠ(32人に51人)やⅡ(21人に58人)のように、段階ごとに見ると競争が厳しい場面があります。
志願者数の一覧で示されている学校裁量枠の数字は、希望者を対象にした選抜段階だけを示したものです。全体の倍率とは別に見る必要があります。
ここで大事なのは、偏差値66や65という数字が「いま必要な点数」ではないことです。中3の秋の時点で届いていなくても、内申点(調査書の評定)と入試の得点の組み合わせで、まだ動かせる余地があります。ただ、合格ラインまであと数ポイントという状況では、「どの教科でいくつ上げるか」を決めて、入試までの残り期間に割り振る必要があります。入試までは約4か月(令和9年度の学力検査は3月3日(水)・4日(木))。苦手な教科を個別に見てもらう方法は、静岡県に対応している家庭教師の料金を、無料で比べておくと判断がしやすくなります。
入試の仕組みと、受験生にとっての違い
静岡県の公立高校の一般選抜は、1回の選抜の中に「学校裁量枠」と「共通枠」があります。先に学校裁量枠で合格者を決め、続いて共通枠で決めます。学校裁量枠と共通枠は別々に出願するのではなく、1校1学科に出願します。制度の全体像は次の記事にまとめています。
令和9年度(2027年)入試の主な日程は、願書受付が2月16日(火)〜18日(木)正午まで、学力検査・面接などが3月3日(水)・4日(木)、合格者発表が3月12日(金)正午以降です。志願変更は2月24日(水)・25日(木)正午までに1回に限り認められます。
浜松市立高校の場合
市立高校は市の定めがあるため、募集の方法や選抜の細かい部分は、中学校の先生に相談しながら確認してください。令和8年度の数字では、学校裁量枠のⅠが12%程度(44人)と、枠は大きくありません。多くの受験生は共通枠での勝負になり、内申点と学力検査5教科の合計点の両方が問われます。
浜松西高校の場合
浜松西は、学校裁量枠のⅠが30%程度、Ⅱが20%程度と、枠を合わせると定員の半分に近い割合です。ただし、外部募集の105人は、中等部から進む135人とは別の枠です。外部から入る受験生は、入学後に中等部出身者と同じクラスで学びます。学習の進度や雰囲気は、学校説明会や文化祭で実際に見て確認するのが確実です。
浜松市立の内申点の考え方や併願の例は、すでに別の記事で詳しく整理しています。
部活動と学校生活
部活動は、各校の公式サイトに載っている部の一覧をもとに整理します。全国大会の出場などの実績は、確認できたページに記載がなかったため、ここでは書きません。気になる部活がある場合は、学校の公式サイトか説明会で、直近の活動状況を確認してください。
浜松市立高等学校
- 運動部:水泳、陸上競技、バスケットボール(女子)、男子バレーボール、女子バレーボール、新体操(女子)、男子テニス、女子テニス、ソフトボール(女子)、バドミントン(女子)、卓球、なぎなた(女子)、剣道、弓道、創作ダンス(女子)、サッカー(男子)、野球(男子)
- 文化部:演劇、合唱、吹奏楽、マンドリン、自然科学、美術、食物研究、文化創生(文芸科・作画研究科)、放送、写真、茶華道(茶道科・華道科)、書道、箏曲、情報処理、英語
文化部の種類が多く、マンドリンや箏曲、茶華道、食物研究といった部が並んでいます。新体操やなぎなた、創作ダンスの部があるのも特徴です。
浜松西高等学校
- 運動部:陸上競技、水泳、野球、サッカー、バスケットボール、テニス、卓球、柔道・剣道、弓道(高校)、ボート(高校)
- 文化部:科学、吹奏楽、弦楽、美術(中等部)、美術・写真(高校)、国際文化(高校)、演劇(高校)、百人一首(高校)、生活文化(高校)、囲碁・将棋(高校)
ボート部があるのが目立ちます。中等部と高校の部が一部共通しているため、先輩にあたる中学生が身近にいる環境です。
学校生活のちがい
- 浜松市立:校訓は「誠・愛・節」。一つの学年が大きく、クラス数も多いため、人間関係の幅が広がりやすい環境です
- 浜松西:校訓は「知・仁・勇」。公式サイトには、探究プログラム「浜西総探」や、令和6年度に文部科学省の指定を受けたDXハイスクールの取り組みが紹介されています。制服は令和3年度から完全自由選択制です
大学進学実績
両校とも、令和7年度卒業生(2026年3月卒業)の進路実績を公式サイトで公表しています。ただし、数え方が違うため、そのまま並べて優劣をつけることはできません。
浜松市立高等学校(令和7年度卒業生)
- 進学の内訳:国公立四大169人、私立四大160人、専門学校7人、就職2人、進学準備19人(公表資料の表記を読み取ったもの)
- 合格件数:国公立大177件、私立大989件(人数ではなく、合格した件数です)
- 国公立の主な合格件数:静岡28、静岡県立13、静岡文化芸術9、浜松医科8、横浜国立8、信州7、名古屋7、大阪公立6など
- 私立の主な合格件数:名城101、立命館78、常葉56、中京45、龍谷37、聖隷クリストファー34、南山34、東洋33、同志社24、関西学院24、明治21など
浜松西高等学校(令和7年度入試結果、2026年4月進学)
- 国公立大:現役130人、既卒15人、合計145人(推薦・総合型を含む合格状況)
- 私立四大:現役557人、既卒57人、合計610人(延べ件数)
- 国公立の主な合格:静岡大19、名古屋大12、浜松医科大6など
- 私立の主な合格:立命館大51、近畿大27、明治大25、早稲田大12、東京理科大28など
市立の資料は「合格件数」を中心に載せているため、複数の大学に合格した生徒がいると数字が大きくなります。浜松西の資料も、私立の数字は延べ件数と考えられます。そのため、「私立の合格数が多いほど強い」とは読めません。見るべきなのは、国公立大の進学者数と、その行き先の傾向です。
両校に共通するのは、静岡大学・静岡県立大学・静岡文化芸術大学といった県内の国公立大に加え、名古屋大学・名古屋工業大学・横浜国立大学など、県外の国公立大にも合格者が出ていることです。難関私大の合格もあり、「地元の国公立をめざす」「関東・関西の私大を含めて幅広く考える」のどちらにも対応できる学校です。
出典:浜松市立高等学校 進路状況、浜松西高等学校 進路実績(2026-10-27確認。数字はそれぞれの公表資料のPDFを読み取ったもの)
アクセス・通学
どちらもJR浜松駅からバスで通う学校です。公式サイトに載っている案内は次のとおりです。
浜松市立高等学校
- 浜松駅バスターミナルの2番のりばから、「広沢」方面行きの8-22または8-23系統に乗り、「市立高校」バス停で下車(約10分)
- 1番・15番・16番のりばのバスで「鹿谷町」または「浜松北高」で降りる方法もあります(約10分)
- 電車の最寄り駅や徒歩の案内は、公式サイトに載っていません。詳しくは学校(053-453-1105)に確認してください
浜松西高等学校
- 浜松駅バスターミナルの5番のりばから、遠鉄バス20番系統(西伊場・入野・舞阪駅方面)に乗り、「西高入口」または「JR浜松工場」で下車し、徒歩約3分(バスで約15分)
- 3番のりばから9番または9-22番に乗り、「根上り松」で下車し、徒歩約5分
- 自家用車での構内への乗り入れは、やむを得ない場合を除き控えるよう案内されています
浜松駅までの距離が近いのは、どちらも同じです。通学の便は、自宅からバスの乗り場までの距離と、バスの本数で決まります。実際の時刻表は、遠鉄バスの時刻で必ず確認してください。部活で帰りが遅くなる日の最終バスも、見落としやすい点です。
アドバイザー視点:どちらを選ぶべきか
2校の違いを、お子さんのタイプ別に整理します。これは一般的な傾向であり、最終的には学校説明会や文化祭で雰囲気を見て決めてください。
浜松市立が向きやすい子
- 学年の人数が多く、クラスや部活の仲間の幅が広い環境が好き
- 文化部で、マンドリンや箏曲、茶華道、食物研究などの活動に興味がある
- 新体操やなぎなた、創作ダンスなどの運動部に入りたい
- 共通枠で、内申点と当日の点数をバランスよく積み上げる受験を考えている
浜松西が向きやすい子
- 中等部がある環境で、探究活動(浜西総探)やデータサイエンスに興味がある
- ボート部や百人一首、囲碁・将棋のように、個性のある部活に入りたい
- 外部募集の枠が小さい分、入試本番の1点にこだわる勝負ができる
- 制服を自由に選べる校風が合っている
迷う場合は、「入試の枠の広さ」と「学校の雰囲気」の二つを、順番に確認するのがおすすめです。外部募集105人という数字は、浜松西を第一志望にするかどうかを考えるうえで、無視できない条件です。一方で、進路実績を見ると、どちらも進学校として十分な実績があり、入学後の努力で道は開けます。
- 浜松市立と浜松西のどちらも合格ラインに近く、あと数点の積み上げが必要なご家庭
- 部活や習い事で忙しく、塾に通う時間を確保しにくいご家庭
- 内申点があと少し足りず、学校の進度に合わせた対策をしたいご家庭
- 苦手教科を戻りたいが、集団授業では手が回らないご家庭
家庭教師比較くらべーるなら、静岡県に対応している家庭教師会社の料金や口コミを見比べて、気になる会社の資料を無料でまとめて取り寄せられます。
家庭教師を検討するときに、何をどう比べればよいかは次の記事で詳しくまとめています。
→ 静岡で家庭教師を選ぶ方法|料金相場・塾との違い・失敗しない比べ方
併願の考え方
静岡県の公立高校は、一般選抜で1校1学科にしか出願できません。そのため、公立を第一志望にするご家庭は、私立高校の併願(推薦・一般・特待など)を同時に考えます。私立の入試日程や基準は学校ごとに違い、年度によっても変わるため、必ず最新の募集要項で確認してください。
併願を考えるときの順番は、次のとおりです。
- 公立の第一志望(浜松市立か浜松西か)を、中3の秋の時点で仮に決める
- 私立の併願先を、通学のしやすさと、入学後に進学実績を狙えるコースかどうかで2校ほど選ぶ
- 私立の入試日と、公立の願書受付(2月16日〜18日)、学力検査(3月3日・4日)の順序を、カレンダーに書き出す
- 公立の合格発表(3月12日)の前に、私立の入学手続きの期限が来る場合の対応を、学校に確認する
近隣の公立校との比較も、志望校を絞る材料になります。浜松西と同じ市内の学校との比較は、次の記事も参考にしてください。
→ 浜松西高校vs浜松江之島高校|偏差値・部活・大学進学(2026-2027)
入試までの残り期間の使い方
今日から令和9年度の学力検査(3月3日)まで、約4か月(127日)です。浜松市立も浜松西も、偏差値は60台なので、基礎の取りこぼしを減らす作業が点数に直結します。時期ごとの優先順位は次のとおりです。
10月〜11月:内申点と弱点の確認
- 2学期の定期テストで、評定を上げたい教科を決める
- 過去問の第1回を解き、大問ごとの正答率を出して、落とした理由(知識不足か、時間不足か、読み違いか)を分類する
12月:苦手単元を戻す
- 数学は図形と関数、英語はリスニングと長文、国語は記述など、点差がつきやすい分野から手を付ける
- 冬休みは、1日の勉強時間を決めて、午前に苦手教科、午後に過去問という形で回す
1月〜2月:過去問と出願準備
- 過去問を5年分ほど解き、時間配分を固める
- 願書は2月16日〜18日の受付。志願変更の期間(2月24日・25日)も、事前に家族で確認しておく
入試までの期間が短くなると、塾の集団授業だけでは、苦手な単元に手が回らないことがあります。通塾に時間を取られる、部活の引退後も予定が詰まっているといった事情があるご家庭は、個別に見てもらう選択肢も比べておくと安心です。
日程にもとづくと、令和9年度の学力検査まで残りは約4か月です。資料を取り寄せて比べるだけなら、今の時期からでも間に合います。
家庭教師は、会社によって月謝・入会金・教材費の有無、講師の層、静岡県の入試(内申点・学調・学力検査)への対応が大きく違います。先に資料をそろえて、同じ項目で見比べてから話を聞くのが、失敗しない近道です。
資料が届いたら確認したいこと
- 月謝のほかにかかる費用(入会金・教材費・交通費)と、入試までの総額
- 静岡県の公立入試(内申点と学力検査5教科)に合わせた指導ができるか
- 苦手教科だけをピンポイントで見てもらえるか、通う曜日や時間を調整できるか
- 講師が合わなかったとき、無料で交代できるか
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まとめ:浜松市立高校と浜松西高校の選び方
- みんなの高校情報の偏差値は、浜松市立が66、浜松西が65。差は1ポイントで、学力の優劣ではなく環境の違いで選ぶ2校です
- 令和8年度入試の普通科は、浜松市立が定員360人・志願417人(1.16倍)、浜松西が外部募集105人・志願118人(1.12倍)。浜松西は中等部から135人が入学予定で、外部からの入口が狭い学校です
- 部活動は、市立は文化部の種類が多く、西はボート部など個性的な部があります。全国大会などの実績は、確認できた公式ページに記載がなかったため、説明会などで確認してください
- 進路実績は、市立が国公立四大に169人が進学、西が国公立大に合計145人が合格。ただし数え方が異なるため、単純な比較はできません
- 通学はどちらも浜松駅からバスで約10〜15分。実際の時刻表と最終バスの時間は、早めに確認しておきましょう
次にやることは、①学校説明会や文化祭の日程を公式サイトで確認する、②2学期の定期テストで評定を上げる教科を決める、③私立の併願先を2校ほど候補に挙げる、の3つです。志望校の合格ラインに届くかどうかは、いまからの4か月の使い方で変わります。迷う点は、中学校の先生と相談しながら、一つずつ確認していきましょう。







